violin case "PESCA" 上田雄翔

所を選ばず簡便にバイオリンを収納する

歴史に学び、 現代に生かす
現代のバイオリンケースは、色・形・素材において多様性に富むが、総じて、楽器を横にする様式となっている。しかし、弦楽器の分野で最も重要かつ偉大とされる職人=アントニオ ストラディパリが最初に作ったとされるバイオリンケースは、現代の様式とは異なり、楽器を縦にして差し込むものであった。歴史に置き去りにされてしまった様式にもう一度目を向ける事で、現代ケースにおける楽器の扱い方を見直した。

出し入れを簡便に行う為の開口構造
潤沢な練習スペースが無いことを理由に、床に広げたケースからバイオリンを取り出したり、椅子の上に不安定に立てかけてしまう学生オーケストラやアマチュアオーケストラが、狭いスペースでも簡便にバイオリンを出し入れ出来るように立てた状態で収納できる縦型のケースを考えた。出し入れに合わせ重力で開聞をスムーズに行うように、中心で左右に分割する構造を持つ"PESCA"は、イタリア語で桃を意昧する。

  • size : 1000 × 500 × 180 mm
  • material : Leather