sakura 武井花恵
灰の降るまち、桜島
鹿児島県の桜島は世界でも珍しく、火山の近くで人々が生活している。桜島からは年間で少なくとも200万トンもの火山灰が噴出され、火山灰により人々の生活が制限されることもしばしば起きている。またこれらの処分費用は市内だけでも年間約4億6500万円に上っている。本研究では、この厄介ものとして扱われていた桜島の火山灰を資源として扱い、新たな素材・プロダクトへと転用することで新しい価値を見出すことを目的とする。
「黒さ」を魅力とする素材を植木鉢へ
桜島火山灰は「黒さ」が魅力であり、工業用の砂と比較しても機能的に劣らないことから、本研究では黒さを生かしたコンクリートの原料として採用する。また、鹿児島県で盛んな花卉産業と関連させた植木鉢の素材として選定し、ブランド「sakura」を提案する。鉢はコンクリートの重量により耐風性を持ち、側面には通気性を高めるスリットを施す。黒さによる重厚感は花卉をしっかりと保持する印象を与え、植物の色彩を映えさせる。
size:
H85×W100×D100,H110×W120×D120
H170×W120×D120,H120×W120×D120 mm
materials:桜島火山灰,白色ポルトランドセメント 他