Vitaruit 長谷川ひろな

果物発電


果物の果汁が電解液、銅板と亜鉛板が電極となって電気を発生させる発電方法。果汁に浸っ た際、亜鉛は銅よりイオン化傾向が大きいため、亜鉛板が電子を放出する負極となる。  ここで発生した電子が銅板側に流れ込み、電子が通過することで電流が発生しモーターが 回転する。その際、銅板側では水素が発生し、銅板は電子を受け取る正極となる。銅板表面 に溜まる水素が、亜鉛板から流れてくる電子の受け取りを妨害するため、電流を流し始める とすぐに電圧が低下するが、これを防ぐために過酸化水素水を加えることで、発生した水素 は水に酸化され、数時間ほどの起電力を保つことができる。このような化学反応による発電 の仕組みは、乾電池と同様の原理である。  果物発電は長く発電し続ける事はできないが、この展示では果物から得られた電流により カウンターを作動し、果物の発電寿命を可視化している。その日の果物によって異なる カウンターの数字が、果物の命を感じさせる。


material:果物、銅板、亜鉛版、銅線、モーター、カウンター