piezoball 森美月

圧電効果による振動発電


振動発電とは、瞬間的に加えられた圧力を電力に変換する発電方式である。圧電効果が得られる結晶は格子状の構造になっている。(図1) 通常時は対称性を保っているためプラスイオンとマイナスイオンが中和されて電圧は生じないが、圧力を加えることにより結晶が変形し、プラスイオンが他のイオンと相対的にずれ偏りが生じる。このように結晶内のイオンの構造状態が変化することで電圧が発生する。(図2)  現在ではライターや電子ブザー、発電床などに圧電素子が使用されている。発生する電力の小ささや耐久性の問題からまだ安定的な電力を発生させることができないが、今後の技術の発展によっては街の振動や騒音を電力に変えた自給自足の発電も夢ではない。  本作品は、弾いたボールが的に当たると光り、視覚的な楽しさが加わったピンボールである。弾く楽しさが発電に変わる不思議な装置をぜひ体験して欲しい。


material:PVC 圧電素子 LED PLA