碁盤の目を線と丸に置き換えた、入門者用囲碁盤
囲碁文化の衰退と競技人口の減少
かつては親や祖父と囲碁を打つ光景を頻繁に目にすることができた。しかし現在ブームを迎え、競技人口を増やしている将棋とは反対に、大きく人口が落ち込んでいる。再びの普及には初心者も楽しめる「入門者用囲碁」の出現が望まれるが、ユーザーの増加が担えるほどの訴求力が強いものは未だ存在していない。そこで、囲碁文化の存続のため、初心者でも手軽に囲碁を始めることができる入門者用の囲碁盤の制作を行う。
陣地の視認性を高めた入門者用囲碁盤
囲碁の勝敗条件は石で囲った自分の陣地が大きい方が勝利とされるが、初心者が始める際にルールの理解に苦しむ人が見受けられる。そこで計算する陣地(線の交点)を円で可視化することを考えた。碁盤の線が石同士のつながりを示し、線と線の交点を円に置き換えることで陣地の計算を容易に行えるようにした。木材の碁盤、貝や黒石を削った白黒の碁石は現代のリビングに似つかわしくないため、碁盤と碁石の素材に透明なレジンを使用し、インテリアとしての側面も持たせる。