紫キャベツの色素変化を利用した画材
農作物を転用した繊維染色の産業化
今日、日本の農業は農作物の価格低迷や生産資材価格の上昇により、農業所得が減少傾向にある。農業の持続的発展を図る為、農作物の生産・販売のみならず、地域資源を活かし事業展開を図る農業の第6次産業化が促進されている。例として農体験の開催や、農作物を食品に加工し販売する例が多く挙げられる。しかし、農作物を転用した商材の開発販売例はまだ数が少ない。そこで、農作物を転用した繊維染色を産業化することで農業の持続的発展を図る。
紫キャベツを用いた化学反応の着色体験
紫キャベツはアントシアニン色素を含有し、pH値によって色素変化する特性がある。私達が日常的に目にする調色方法である加法混色(CMYK)や減法混色(RGB)と異なり、紫キャベツのアントシアニン色素は中性の紫色から酸性に近付くと桃色、アルカリ性に近付くと緑色に変色し明度が高くなる。その素材特性を活かし、pH値を変化させることで着色する画材を制作。紫キャベツの色素変化を画材に転用することで化学反応で絵を描くという新しい体験を提供した。