i confront ! 大澤由奈

インクジェット印刷機による新たな版画技術と絵画表現の研究


印刷物と版画
印刷物と版画は広義では「Print」という言葉でまとめられるが日本では2つを厳密に区別されている。印刷物は情報媒体を指し、いかに正確に大量生産可能かを価値とされる。一方版画は絵画を量産する点や一枚ごとに差異が現れ、それらを価値とすることが特徴である。このように印刷物と版画はプロセスこそ似ているものの求められる価値が異なる。本制作では、インクジェット印刷の技術を転用した新たな版画技術の確立と、新たな価値を持つ版画表現の研究を行う。


印刷物から版画へ
本制作では、従来のインクジェットプリンタの持つスプレー噴霧の特性に加えて、噴霧距離を人為的に変化させることにより得られる絵柄に変化を与える装置の開発を行う。黒から滲み出る多色の色彩は、エアブラシや水墨画などのにじみ表現では得られない、唯一無二の表現であると言える。また人間が機械と関わる事で生まれる絵柄は、印刷物でもデジタル絵画でも無い、新たな版画の価値を提供している。


Material:
PLA樹脂、アクリル、インクジェット印刷機  他

Dimensions:
W600 × D450 × H250  (mm)